症例別アプローチ:椎間板ヘルニア

「椎間板ヘルニア」は、脊椎の椎間板の破損や突出によって生じる状態です。通常、椎間板は脊椎の骨の間に存在し、クッションや柔軟性を提供します。しかし、椎間板が破損すると、内部のゼリー状の物質が外側に漏れ出し、周囲の神経に圧迫をかけることがあります。

椎間板ヘルニアには、吐出型(protrusion)と流出型(extrusion)の2つの主要な形態があります。これらは、椎間板の内部のゼリー状の物質が椎間板の外側に漏れ出す程度によって定義されます。

  1. 吐出型(protrusion): 吐出型椎間板ヘルニアでは、椎間板の外層(線維輪)の一部が破れ、内部のゼリー状の物質(核)が椎間板の外側に突出しています。この状態では、ゼリー状の物質が椎間板の外側に広がることはありません。吐出型では、神経組織に圧迫や刺激を与える可能性がありますが、一般的には比較的軽度な症状が現れることがあります。
  2. 流出型(extrusion): 流出型椎間板ヘルニアでは、椎間板の外層(線維輪)が完全に破れ、内部のゼリー状の物質(核)が椎間板の外側に漏れ出しています。流出型では、ゼリー状の物質が神経組織に圧迫や刺激を与えることがより顕著です。これにより、痛みやしびれの感覚がより強く、神経損傷の可能性が高まることがあります。

カイロプラクティックでは、ヘルニアの症状に合わせて手技療法や調整法を用いて身体の機能改善や痛みの軽減を目指します。

  1. 整法(Adjustments): 関節や椎骨の位置や動きを調整します。これにより、椎間板ヘルニアに関連する神経圧迫や不快感を軽減します。
  2. 髄核(椎間板の中心にある核)調整テクニック:髄核を整体法により本来の位置に誘導します。
  3. ブロックテクニック:柔らかい三角形の楔(下の写真)をつかって、土台となる骨盤を整え椎骨の整復をします。
  4. 筋肉の緩和法: 筋肉の緊張を緩和するために筋・筋膜のリリース、ストレッチなどを行い、これにより椎間板ヘルニアに関連する筋肉の緊張や炎症を軽減し、痛みを緩和させます。
  5. 姿勢指導とエクササイズ: 適切な姿勢や身体の使い方に関する指導を提供し、椎間板ヘルニアの症状を改善するための運動やエクササイズプログラムを提案します。

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