毎日炭酸飲料を飲むと喫煙者並みに老化が進む
真核生物の染色体の末端部に存在する構造で、主な役割は染色体の末端を保護する「テロメア」というものがあります。
このテロメアは細胞の寿命に関与し、「生命の回数券」とも称されます。
細胞が分裂する過程で、DNAの複製には限界があり、DNA複製酵素が末端に到達すると染色体の一部が損失することがあります。しかし、テロメアの存在によって、染色体の重要な遺伝情報は保護されます。
ただし、細胞分裂が続くとテロメアは短くなります。このことから、テロメアの長さが細胞の寿命と関連していることが示唆されます。テロメアが短くなると細胞は老化し、最終的には分裂を停止します。
カリフォルニア大学サンフランシスコ校のElissa Epel博士率いる研究チームは、テロメアに注目し、その長さが寿命や健康状態と関連していることを示す結果を得ました。研究によれば、テロメアの長さは寿命、ストレス、心臓疾患、糖尿病、ガンなどと関連しており、炭酸飲料の摂取習慣によって免疫細胞の老化が引き起こされることも明らかになりました。
具体的には、糖分の多い炭酸飲料を頻繁に摂取する人ほど、テロメアが短くなる傾向があります。例えば、毎日8オンス(227ml)の炭酸飲料を飲む人のテロメアの長さは、実際の年齢よりも1.9歳分老化した状態に相当し、20オンス(約566ml)なら4.6歳分に相当します。これは喫煙者のテロメアの長さと同程度です。Epel博士は「甘い炭酸飲料を頻繁に摂取することは代謝作用に悪影響を及ぼす」と警告しています。
テロメアは加齢とともに短くなるものですが、たった500mlのペットボトル1本でも毎日摂取すると、4.6歳も老化してしまうことになります。したがって、炭酸飲料が好きな人は注意が必要です。