症例別アプローチ 椎間板ヘルニア

椎間板ヘルニアで来院 (30代 女性 保育士)

整形外科にて L5/S1の椎間板ヘルニア(軽度) と説明されている。

  • 左腰の鋭い痛み
  • 左脚のしびれ(ふくらはぎ外側)
  • 朝起き上がる時に痛む

検査・初見

  • SLRテスト:左脚 40〜45°で痛み
  • 骨盤の歪み:左側に体重を逃がす代償姿勢
  • 仙腸関節の可動性低下
  • 梨状筋の強い緊張
  • 腰椎前弯の減少(フラットバック傾向)

使用した施術:ブロックテクニック(SOT Category III)

椎間板にストレスがかかっている場合に使われることが多いカテゴリー。
骨盤の下に三角形のブロックを左右に差し込み、重力と体重を利用して自然に調整する手法です。


施術の流れと経過

◆ 1回目(初回)
● 施術内容
  • 右股関節に対し、ブロックを前下方にセット
  • 左寛骨を後方向に、軽くブロックを配置
  • 患者をそのまま5〜7分保持し、自然な骨盤の位置を回復
  • 仙骨ポンピング(軽い圧で髄液循環を促すSOT手技)
  • 梨状筋の軽いリリース

初回後の変化

  • 腰の痛みが「つっぱる感じ」に変化
  • 脚のしびれがやや軽減
  • 立ち上がり動作が少し楽に

2〜4回目(週2回ペース)

● 施術内容
  • ブロックテクニックを継続(角度と位置を微調整)
  • 骨盤の前後傾のクセを修正
  • 横隔膜リリース(呼吸改善 → 腰部の圧力軽減)
  • 大腰筋の軽いリリース

4回目終了時の変化

  • 腰の鋭い痛みがほぼ消失
  • SLRテスト:左脚 60°まで上がる
  • しびれが半減
  • 朝起き上がりがスムーズになった

 5〜8回目

● 施術内容
  • ブロックテクニックは継続しつつ時間を短めに
  • 胸椎の軽いモビリゼーション(猫背姿勢の改善)
  • 骨盤の安定化エクササイズ
    • ヒップリフト(痛みの出ない範囲)
    • ドローイン
    • 梨状筋ストレッチ

8回目終了時の変化

  • 痛み:初回10 → 現在2〜1
  • 長時間の抱っこで痛みが出にくくなる
  • しびれはほぼ消失
  • 姿勢の左右差が改善

最終評価

  • 腰の痛みは日常生活ではほとんど無し
  • 再発リスクを抑える姿勢習慣が身に付く
  • 患者から「朝が一番楽になった」とコメントをいただきました。

まとめ

「ブロックテクニックは“ボキッとしない調整”であり、
椎間板ヘルニアのように腰への負荷が大きい症状にも適した穏やかなアプローチです。
骨盤の歪みと腰椎が整うことで神経の通り道が緩み、症状が改善していきました。」


この事例のポイント

  • ブロックテクニックは重力と姿勢を利用する安全性の高い方法です
  • 腰椎を直接ひねらずに、間接的に椎間板の圧を下げる
  • ヘルニアで痛みが強い人ほど有効なケースが多い
  • 骨盤・仙骨のズレが神経を圧迫していた場合に改善しやすい
  • 施術+姿勢・呼吸の改善が再発予防の鍵

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