長引く神経痛、微小血管障害とモヤモヤ血管。

微小血管障害とは、毛細血管や細小動脈といったごく小さな血管の機能障害のことです。
これらの血管は、酸素や栄養を細胞へ届ける重要な役割を担っているのですが、糖尿病、高血圧、慢性ストレスなどの影響で血管内皮が損なわれ、血流が滞ると、組織の酸素供給が不足しやすくなります。
すると、脳や心臓、腎臓などでは、虚血性障害や神経機能の低下につながることで知られています。
一方、「モヤモヤ血管」とは、画像診断で観察される細かい異常血管網のことを指します。
特に脳では、脳底部の主要動脈が狭窄または閉塞した際に、周囲に側副血行が発達してモヤモヤとした血管像を呈する「モヤモヤ病(ウィリス動脈輪閉塞症)」が代表的です。しかし、最近では、脊髄や筋膜、末梢組織などにおいても、慢性的な血流不足に対する代償性の異常新生血管が確認されることがあり、これらも広義の「モヤモヤ血管」として注目されています。
つまり、微小血管障害が進行すると、組織の酸欠を補うためにモヤモヤ血管が形成される可能性があり、このモヤモヤ血管こそが、「長引く神経痛」の原因の一つとされています。
カイロプラクティック的視点から見ると、この微小血管障害は、姿勢の歪みや筋緊張の不均衡による局所循環の阻害が深く関与していると思います。特に頚椎や骨盤のアライメント異常は、血管の収縮・拡張の調整機能を乱します。
カイロプラクティックの施術では、脊柱や骨格のバランスを整えることで神経伝達と血流の円滑化を促し、全身の微小循環環境を改善することができます。
さらに、クラニアル(頭蓋療法)で自律神経を整える事により、末梢までの酸素供給を高め、モヤモヤ血管が必要となるような慢性虚血状態の改善を図ることが期待されます。
カイロプラクティックは直接的に血管を治療するわけではありませんが、神経系・筋骨格系の正常化を通じて、身体本来の循環調整力を引き出すアプローチとして効果があります。

