「フィジカルとは?」

さとうカイロプラクティック覚王山

「フィジカル」

多くの人が「フィジカル=筋肉の量・力の強さ」と捉えていますが、運動学(キネシオロジー)や神経学(ニューロサイエンス)の観点から見ると、「フィジカル」はもっと広く、もっと根源的な意味を持ちます。

運動学・神経学から見た「本当のフィジカル」とは一言で言うと、
身体を効率的かつ自在に「コントロールできる能力」そのもの。
つまり、筋肉を「鍛える」よりも前に、
脳・神経・感覚系が身体をどのように認識し、統合的に制御するかということが「フィジカルの本質」です。

神経学的なフィジカル:脳と身体の統合制御

● 運動は「脳がつくる」
運動は筋肉が行うものですが、筋肉を動かすのは脳と神経系です。
このため、真のフィジカルとは「脳が身体をどれだけうまく扱えるか」にかかっています。
主な神経系の働き:
運動野:筋肉を動かす命令を出す
小脳:動きの精度・リズム・タイミングを調整
大脳基底核:動作の選択と自動化
体性感覚野:身体の位置や力加減をフィードバックする。
これらがスムーズに連携して初めて、「良いフィジカル」が発揮されます。

運動学的なフィジカル:力ではなく“動きの質”
筋肉の大きさよりも重要なのは、運動連鎖(kinetic chain)が適切に働いているかです。
● 良いフィジカルの特徴(運動学的観点)
重心・軸のコントロール(姿勢・バランス)
関節の連動性(全身の動きがつながっている)
反射的安定性(外力に対して無意識に安定できる)
リズムとタイミング(力の「出す・抜く」のバランス)
感覚統合(視覚・前庭・固有感覚の調和)
つまり、筋肉の強さではなく、
「動作の精度・効率・反応性」=フィジカルといえます。

感覚系の役割:身体の“地図”をつくる
神経系が正確に働くには、身体の状態を正確に知る必要があります。
これを支えるのが「感覚フィードバック」です。
主な感覚情報:
固有感覚(Proprioception):身体の位置・動き・張力を感じる
前庭感覚(Vestibular system):バランス・加速度を感じる
視覚(Vision):空間認識と運動のガイド
これらの感覚入力が統合されて、
「自分の身体をどのように動かすか」を脳が決める。
→ ここが乱れると、いくら筋肉があっても思うように動けません。

まとめ:本当のフィジカルとは?

本当のフィジカルとは、
身体を自在にコントロールする神経系能力。
トレーニング=筋トレではなく、脳・神経・感覚の教育。
柔軟で効率的な動作連鎖。
長期的な「運動の質」。

身体を整えると、姿勢が良くなります。姿勢が良くなると脳が健康になります。脳を正常にして、本当の「フィジカル」を手に入れましょう。

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