症例別アプローチ ばね指

ばね指で来院 (40代 女性 事務職)

主訴

  • 右手中指の「カクン」と引っかかる感覚
  • 朝起きた時に指が伸ばしづらい
  • 長時間のパソコン作業で悪化
  • 病院で「ばね指の疑い」と言われ、保存的ケアを勧められた

検査と評価(カイロプラクティック的視点)

  1. 母指球〜前腕屈筋群の過緊張
    → 指を曲げる筋に負担がかかり、腱鞘部に圧痛あり
  2. 手根骨・橈骨側の可動性低下
    → 手首の動きが悪く、作業時に中指へ負担が集中
  3. 肩〜頸椎の軽度の巻き肩姿勢
    → デスクワーク姿勢により前腕・手指の負担が増す原因に

施術内容

① 手指〜前腕の筋膜リリース
  • 中指屈筋腱(浅指屈筋・深指屈筋)周囲の緊張を緩和
  • 腱鞘部への圧迫を減らす目的
② 手根骨のモビリゼーション(可動性改善)
  • 橈骨手根関節・月状骨周辺の動きを軽く調整
  • 手首の動きがスムーズになり、指への負荷を軽減
③ 肩・頸椎の姿勢バランス調整
  • 猫背・巻き肩傾向の改善
  • 上肢全体の血流改善を狙う

施術経過

● 初回〜3回目
  • 中指の引っかかりは残るが、痛みがやや軽減
  • 朝のこわばりが少し和らぐ
  • 手首の可動域が改善
  • パソコン作業後の痛みが半減
  • “ガクッ”と引っかかる頻度が減る
● 4〜5回目
  • 朝の引っかかりはほぼ消失
  • 施術後はスムーズに伸ばせる
  • 日常生活の不便はほぼなし
  • 再発防止として、姿勢改善と前腕ケアの継続

まとめ

ばね指は腱鞘の炎症や腱の肥厚が原因となるが、頸椎、広背筋、棘下筋などの緊張も関係しています。
手首や前腕の使い方の癖、姿勢の乱れが筋緊張を増やし、症状を悪化させることが多いです。

女性のばね指は、ビタミン不足(特にビタミンB6)でも起こります。施術とあわせて、サプリメントなどの栄養補助もおすすめしています。

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