腕の痺れとだるさで来院 (50代 女性 自営業)

主訴
- 右腕の痺れとだるさが数週間続いている。
- 痺れは特に朝起きたときや、長時間同じ姿勢でいると強く感じる。
- 痺れは肩から手首にかけて広がり、親指と人差し指に特に強く現れる。
検査と評価
- 立位にて右背部後方へのねじれ。
- 腰椎や頚椎の動きが制限され、特に頚椎の前屈と後屈が制限されている。
- 右鎖骨上方変位。
- 右PSIS(上後腸骨棘)後方変位。
- 右側の肩甲挙筋、僧帽筋に硬直が見られる。
- 上腕二頭筋、前腕筋群の緊張が強く、手首を曲げると痺れが悪化する。
- 右手の親指と人差し指の感覚に軽度の低下が認められるが、腱反射や筋力に大きな異常はない。
神経学的検査:
- 頚椎椎間板ヘルニアや頚椎症による神経根圧迫。胸郭出口症候群(肩から腕にかけての痺れや痛み、特に長時間の肩の固定や圧迫による症状)。肩関節周囲炎(肩の使い過ぎや不良姿勢が原因で肩の可動域制限がある場合)。の可能性もあるので整形外科的検査を行ったが、全て陰性。
施術と経過
- 筋肉リリース:
- 肩甲挙筋、僧帽筋、上腕二頭筋などの緊張を緩和するために、トリガーポイントマッサージやストレッチを行う。
- 特に前腕の筋肉に対する圧迫マッサージを実施し、手首の痺れが緩和されるようにアプローチ。
- 骨盤と頚椎の調整:
- 右PSIS(上後腸骨棘)後方変位の調整。
- 頚椎の動きを改善するための軽い矯正を行う。特に頚椎の前屈、後屈、回旋の可動域を改善し、神経圧迫の軽減を目指す。
- 生活習慣の改善:
- スマホやパソコンの使用時の姿勢を見直し、手首や肩の過度の使用をひかえる。
- 毎日軽いストレッチを行い、血行促進と筋肉の柔軟性を高めることを提案。
- 初回の施術後、患者は肩の重さが軽減し、腕の痺れもやや改善したと報告。
- 1週間後に再度来院し、症状の改善が見られるが、日常生活で再発しないよう引き続き姿勢改善を指導。
- 3回目の施術後、腕の痺れがほとんど感じられなくなり、患者は日常生活を快適に過ごせるようになった。
まとめ(考察)
- 肩こりや頚椎の柔軟性の低下が原因で、神経根圧迫の兆候が見られたが、整体による筋肉のリリースと骨盤と頚椎の調整が効果的に作用した症例。
- 症状が肩に出ている場合でも、身体の土台となる骨盤が歪んでいると、補正作用で肩や首に影響が出ることも多いです。