
脊柱管狭窄症で来院 (50代 男性 自営業)
主訴
- 歩行時に足がしびれて痛くなり、長時間歩けない。立ち止まって休むと楽になる(間欠性跛行)。
- 整形外科にて「腰部脊柱管狭窄症」と診断。手術は避けたい意向。
- 週に3回ほど近所を散歩していたが、ここ半年で歩行距離が大幅に減少。
検査・初見
- 腰部の前屈で痛み強く、反らすと下肢にしびれ。
- 両足の太もも裏〜ふくらはぎにかけてのしびれ感。
- 筋緊張:腰部・臀部・太もも裏(ハムストリングス)に著しい緊張。
- 骨盤の前傾・脊柱の柔軟性低下が確認される。
施術と経過
【1〜2回目】
- 痛みの軽減と緊張緩和を目的に、筋膜リリースと仙腸関節の調整を実施。
- 腰椎の可動域改善を図るため、骨盤周囲のストレッチと呼吸に合わせた軽いモビリゼーションを併用。
- 自宅でできる簡単な腰部〜下肢のストレッチの提案。
【3〜4回目】
- 歩行時の姿勢分析を行い、体幹の使い方を指導。
- 腸腰筋・臀筋の活性化トレーニングを開始し、骨盤の安定性向上を図る。
- 長時間の歩行後の状態を確認しながら、セルフケアの見直し。
【5〜6回目】
- 歩行時間が10分から30分へ改善。しびれの頻度が減少。
- 自律神経のバランスを整える目的で、頭蓋調整・内臓調整も導入。
- 維持と再発予防のためのメンテナンスプランを提案。
■ 施術後の変化
- 【ビフォー】5分の歩行でしびれ・痛み → 【アフター】30分の連続歩行が可能に
- 腰痛の頻度と強度が明らかに軽減。
- 日常生活における不安が軽減し、趣味の散歩を再開。
まとめ(考察)
脊柱管狭窄症は、手術だけが選択肢ではありません。体の使い方・筋肉の状態・関節の動きを改善することで、症状の軽減が期待できます。患者さん自身の「良くなりたい」という意欲と、定期的な通院・セルフケアの継続が回復の鍵でした。
■ 患者さんの声
「もう歩けなくなるのではと不安でしたが、今はまた歩けるようになってうれしいです。手術しないで済んで本当に良かったです。」