「椎間板ヘルニア」は、脊椎の椎間板の破損や突出によって生じる状態です。通常、椎間板は脊椎の骨の間に存在し、クッションや柔軟性を提供します。しかし、椎間板が破損すると、内部のゼリー状の物質が外側に漏れ出し、周囲の神経に圧迫をかけることがあります。

椎間板ヘルニアには、吐出型(protrusion)と流出型(extrusion)の2つの主要な形態があります。これらは、椎間板の内部のゼリー状の物質が椎間板の外側に漏れ出す程度によって定義されます。

  1. 吐出型(protrusion): 吐出型椎間板ヘルニアでは、椎間板の外層(線維輪)の一部が破れ、内部のゼリー状の物質(核)が椎間板の外側に突出しています。この状態では、ゼリー状の物質が椎間板の外側に広がることはありません。吐出型では、神経組織に圧迫や刺激を与える可能性がありますが、一般的には比較的軽度な症状が現れることがあります。
  2. 流出型(extrusion): 流出型椎間板ヘルニアでは、椎間板の外層(線維輪)が完全に破れ、内部のゼリー状の物質(核)が椎間板の外側に漏れ出しています。流出型では、ゼリー状の物質が神経組織に圧迫や刺激を与えることがより顕著です。これにより、痛みやしびれの感覚がより強く、神経損傷の可能性が高まることがあります。