
坐骨神経痛で来院 (50代 女性 主婦)
主訴
慢性的に腰痛はあったが、3ヶ月前から右臀部が痛くなり、長時間の座位や朝の起床時に痛みが強くなる。最近はももの裏側にも痛みがある。
整形外科にてMRIやレントゲンの結果、脊柱管狭窄症と坐骨神経痛と診断された。椎間板ヘルニアの診断は無。
検査・初見
立位にて左への傾斜・有痛性跛行 腰椎前屈時に痛みが増幅。ラセーグテスト/Kempテスト陰性。
両臀部の硬直と痛み・腰部起立筋の膨隆。腰椎湾曲減少・腸骨/仙骨ともに後傾。第4、第5腰椎、仙腸の可動域低下。
施術と経過
初期(1〜3回目)
- 目的:神経圧迫の軽減、筋緊張の緩和
- 施術内容:
- 骨盤・仙腸関節の調整(可動性の回復)
- 腰椎周辺の筋膜リリース(起立筋・梨状筋・中臀筋へのアプローチ)
- 下肢リリース(ハムストリングス・腓腹筋)
- 生活指導:
- 長時間の座位を避ける(1時間に1回立ち上がるなど)
- 骨盤を立てる座り方の指導
- クラムシェルなどの運動療法の提案
(4〜5回目)
- 目的:神経の滑走性回復
- 施術内容:
- SOTOテクニック/神経モビライゼーション(坐骨神経の滑走改善)
- 股関節可動域の向上
- 変化:
- 臀部/脚の痛みが軽減
- 最終結果:
- 坐骨神経痛の症状はほぼ消失
- 日常生活・仕事に支障なし
- 月1回のメンテナンス施術へ移行
まとめ(考察)
姿勢や生活習慣による慢性の筋・筋膜性緊張により、腰椎の湾曲の減少/骨盤の後傾を誘発し、神経圧迫が起こっていたと思われます。坐骨神経痛は梨状筋問題もとても重要となってきます。
筋力の低下や不良姿勢による再発も考えられるので、良い姿勢の維持や軽い運動を続けて頂いています。